瀬戸内海に面している笠岡は昔から新鮮で美味しい瀬戸内海の幸が堪能できるところ。特に12月から2月にかけては、魚たちの味も年間で最高の時期。今こそ笠岡においしい瀬戸内の幸を食べに行きませんか。
JR笠岡駅前の「味処 栄清丸」
今回はJR笠岡駅前に古くからお店を構える「味処 栄清丸」を訪問しました。
現在のご主人は三代目だそうです。あらかじめ予約時に「今時から2月くらいまで笠岡周辺で獲れる魚介で、これが美味しいというおすすめのものをお願いします。予算はドリンク類別で3,000円」とお願いしました。
一品目 海老の麹付け
カウンター席には牡蠣の土手鍋と海老の麹付けが準備してありました。牡蠣の土手鍋は火をつけてからその場で煮込んでいくので、時間がかかるとのこと。女将さんが点火して、「煮立ってきたら味噌を少しずつとかして汁になじませて下さいね」と。
そして、まずは一品目の「海老の麹付け」から。この海老はガラ海老と言って、笠岡諸島周辺では年中獲れるそうです。決して大きなものではなく小柄で、その海老を一匹ずつ丁寧に殻をむいて、麹でつけること二〜三週間で食べ頃。日本酒がよく合います。この海老の麹付け料理は先々代から受け継がれてきた、栄清丸伝統の味でもあるそうです。
二品目 飯蛸を煮たもの(辛子酢味噌とともに)
二品目は、じっくりと煮た飯蛸の煮物。それにレモン汁を少しと辛子酢味噌をたっぷりつけて食べます。今の時期の飯蛸は、まだ卵を持っていないそうです。しかし、それが逆にすっきりとした食感で美味しい一品です。2月頃になると卵を持っているので、また違う風味で味わえるかもしれません。
三品目 サワラの塩たたき
この地方の人たちは昔からサワラをよく食べていたそうです。サワラは漢字では「鰆」と春の魚と書きますが、今の時分が一番美味しいとのこと。添えられてるのは新鮮な玉葱。玉葱のシャキシャキ感とたたき鰆のねっとり感のコントラストが絶品です。
四品目 太刀魚と鯛のお造り
四品目は、笠岡沖で獲れた代表二選手。太刀魚と鯛。ともに白身魚です。ご主人曰く「鯛はしめてから二、三日寝かしておくとうまみがグッと増して美味しいですよ」とのこと。笠岡沖は鯛がよく獲れます。天然物で道の駅などでも割と気軽に購入できますよ。
道の駅・笠岡ベイファームで売られている鯛
五品目 牡蠣の土手鍋
そうこうしているうちに一品目とともに火がつけられた「牡蠣の土手鍋」が良い感じの食べ頃になってきました。今回の牡蠣は笠岡市の隣町・浅口市寄島町のもの。「寄島の牡蠣は熱を通しすぎてもかすかすにならないんですよ」とご主人。去年はその前の年に種付けに失敗した影響が出て、あまり数が出回らなかったそうですが、今年は大丈夫だそうです。これから年明け2月頃にむけて、もっと大きく美味しい牡蠣が出てくるとのことです。
六品目 ナマコ酢
六品目はさっぱり口直しの「ナマコ酢」。コリコリした食感がたまりません。
七品目 蛸の唐揚げ
「これが最後になります」と、運ばれてきたのが「蛸の唐揚げ」。笠岡沖では蛸もよく獲れます。そえられていたのは、ナスとシシトウの素揚げ。蛸の唐揚げは個人的には大好物なのですが、さすがにこのあたりまで来るとお腹がいっぱいで、少し苦しい状態でした。
今回は締めのご飯や麺はお願いしませんでしたが、「飯蛸煮かナマコ酢あたりをご飯類にすればよかったかな」と少し後悔しました。
お店方曰く。
「ご来店いただいて、一品ずつ頼んでいただくことも可能ですが、予約の時に予算と食べたいもの・苦手なものの希望をお伝えいただければ、その中で最高のものをご準備します。案外それが一番お値打ちだったりします」とのことです。予約時に予算と嗜好を伝えることはマストですね。
そして、ここの裏メニューには「笠岡ラーメン」があります。それを目当てに来られる方も多いとか。
お店情報
味処 栄清丸
住所:〒714-0088 岡山県笠岡市中央町33-4大橋ビル1階
TEL:0865-62-2763
営業時間:17時30分〜22時(ラストオーダーは21時30分)
定休日:日曜日・祝日
駐車場:なし
座席:座敷・テーブル 30席
笠岡市観光協会ホームページ内への情報はここから